不動産投資は節税に有効? 将来設計に役立つ税金知識

超低金利、マイナス金利といわれる現代では、普段は使わない自分の資産を定期預金にしておくだけでよいのだろうか、と考えていらっしゃる方も多いと思います。
不動産投資は、将来の資産形成に良いだけでなく、節税にも良いといわれます。

今回は、不動産投資と節税について解説していきます。

目次

  1. 不動産投資をするときには節税が大切
  2. 不動産投資の魅力
  3. 不動産投資で節税が大切な理由
  4. 不動産投資における節税の具体的な方法
  5. 経費を計上する
  6. 減価償却
  7. 損益通算
  8. 相続税と贈与税
  9. 不動産投資を行うときの節税対策の注意点
  10. 節税効果は副次的なものと考える
  11. 専門家を利用する

不動産投資をするときには節税が大切

不動産投資の魅力

不動産投資をするということは、土地、マンション、アパート、店舗、駐車場などを購入し、それを貸して賃貸収入を得るか、売却して売却益を得ていくことです。

超低金利、マイナス金利でお金を預金にしていても、ほとんど増えることはありません。
預金にしておけば減ることはない、という考えの方もいらっしゃいます。
しかし、預金以外の投資をすれば得られた利益を、預金にしていることで失っているのです。
得られたであろう利益を失っていることを「機会損失」といいます。

株、投資信託などの金融資産も今は商品のラインナップが充実していて、投資しやすくなっています。
金融資産は短期的にも長期的にも投資をすることができ、手軽で利益を得ることができるメリットのある良い投資方法ですが、株価が下がるなどのリスクもあります。

投資の中でも不動産投資は、比較的リスクが少なく、長期的に利益を得ていくことができる方法です。
ただし、不動産投資を行うには、収入や支出の管理を自分でしていかなければならず、資金の流れや不動産投資の仕組みをしっかりと知る必要があります。

不動産投資で節税が大切な理由

土地の価額は、バブル経済時のように上昇し続けているわけではなく、地域によりますが、ほとんど変わらないので、一般的には不動産収入といえば、賃貸収入を得ていくことを考えます。
建物や駐車場などの設備の場合は、作ってから一度でも使うと、売却価値は半減します。

不動産投資で大切なのは、購入費用を上回る収入を得ることができるかどうか、という点になります。
得られる収入が、購入費用、経費、投資をやめたときの売却予想価額まで考慮してプラスになれば、不動産投資は検討していく価値があるといえます。

長期的な計画のもとで不動産投資を行っていけば、安定した収入を得ることができ、投資額を上回る利益を得ることができるという点が不動産投資のメリットです。

どのくらいで投資額が回収できるのか、を考えるときに、どの程度の節税効果があるのかも考慮すべきポイントです。
節税対策をしなければ、払わなくてもよかった税金を払うことになるという意味で、節税対策はとても大切です。
それだけでなく、節税対策を考えることは、不動産投資の計画段階でも、どれだけの期間で投資を回収することができるのかを考えるうえで重要な要素となります。

節税対策は、なんでも経費にして税金を安くするという方法では、いざ税務調査が入ったときに追徴課税されますし、悪質な場合には重加算税を徴収され、時間とお金を失うだけでなく、精神的にも負担になります。
正しい税金の知識を持ち、法律の範囲内での節税対策を行うことが大切です。

さらに、不動産投資は、場合によっては確定申告で所得税の還付を受けることができる場合や、相続税や贈与税でも節税をすることができる場合もあります。

不動産投資における節税の具体的な方法

経費を計上する

不動産投資を賃貸して得る収入は、所得税では不動産所得という区分になります。
不動産所得を計算するときには、収入から経費をひくことができます。

不動産所得の税額計算は、

「所得税額=(総収入金額—必要経費)×税率—控除額」

という算式で計算します。

住民税の計算でも、収入金額から必要経費をひきますので、経費を計上することで税金が安くなります。

では、経費には何を計上することができるのでしょうか。
一般的には、不動産投資に関係する租税公課、損害保険料、減価償却費、修繕費、借入金利息、管理費、交通費、通信費、新聞図書費、接待交際費、消耗品費、その他税理士に依頼した費用などがあげられます。

不動産投資に直接的に必要な修繕費や管理費だけでなく、不動産投資の相談をするための打ち合わせ費用、固定資産税なども経費とできるので、経費と認められるものの幅は広いといえるでしょう。
不動産投資をするために金融機関から融資を受けた場合には、その利息も経費として計上することができます。

減価償却

経費の中で、減価償却費は、建物や設備の建築にかかった費用を、毎年、一定の方法で耐用年数に応じた年数にわたって経費としていけるものです。
建築や設備にかかった費用は、建物や構築物として資産計上しますので、お金を支払った時点で経費として計上しません。減価償却を行っていくことで、10年、20年などの法律で決められた耐用年数にわたって経費としていきます。
経費とできる減価償却は、減価償却する時点では現金の支出がない経費となります。

減価償却は年々でみると、減価償却を行ったときに現金の支出がない経費を計上することができ、節税効果があります。

投資期間全体でみると、設備投資の支払い時に一括して経費で落とすかわりに、その経費をほかの年に配分していることになります。

不動産投資は、初期投資額が大きい投資方法です。購入時に一括して経費にする方法だと、収入から経費を差し引ききれませんので、不動産の購入費用は、不動産収入のある各期間に配分できたほうが望ましいといえます。
また、税率が将来的にあがっていくことを前提とすると、不動産購入費用はできるだけ後の時期に計上し、税率が高くなると予想する期間の経費にするほうがいいともいえますので、その意味で節税効果があるといえるでしょう。

損益通算

不動産投資での不動産所得は、賃貸から得られる収入から必要経費をひいて計算しますが、もし必要経費のほうが収入より多ければ赤字となります。
不動産投資の計画をたてるときには、投資を回収できるだけの収入を得ることが目的として計画をたてますが、投資の初期には費用が多くかかることもあり、赤字になることもあります。

この不動産所得の赤字は、損益通算が可能です。損益通算は、ある所得の赤字をほかの所得からひくことができる制度です。たとえば、サラリーマンをしながら不動産投資をしている場合に、不動産所得での赤字を、給与所得からひくことができます。不動産投資での所得は赤字のため税金がかからないのですが、給料にかかる税金が安くなります。

もし不動産投資が赤字であったとしても、その赤字は給与所得がある場合には、給与所得からひけるので、節税効果が高くなります。

相続税と贈与税

資産を現金で保有している場合や、土地を更地にしておくよりも、不動産投資をすることで相続税評価額が低くおさえられ、税金上のメリットが高いといえます。相続税評価額においても減額制度の適用がありますし、さらに相続時清算課税制度による特別控除を利用することで、贈与税を抑えられる場合があります。

不動産投資を行うときの節税対策の注意点

節税対策のためだけに不動産投資を行おうとして失敗する方もいらっしゃいますので、注意点もご紹介したいと思います。

節税効果は副次的なものと考える

不動産投資は、長期的な安定収入を得ていくために行うことを目的とします。
節税になるというメリットはありますが、節税対策だけのために不動産投資を行おうとすると、節税効果の高い物件を選びがちになります。じつは、節税効果が高い物件とは、投資額が高い物件なのです。

投資額が高ければ赤字になりやすく損益通算をすることができますし、減価償却効果も高くなります。
とくに減価償却については、年々では節税効果があるようにみえますが、投資期間全体でみると節税効果が高いとはいえません。

不動産投資のメリットを最大限に生かすには、「節税効果も含めた長期的な投資効果を考える」ことになります。
たとえば、マンション、アパート、店舗の賃貸収入を得るために、新築物件を建設したとしても、空き室がたくさん出てしまっては、賃貸収入を得ることが難しくなり、そのような物件は売却しようとしてもなかなか良い値段で売却することができません。
収入の見込みがある需要のたかい物件に不動産投資を選ぶのが優先で、節税効果は、投資額をどれだけの期間で回収していけるかの計画に考慮すべき副次的なものといえます。

専門家を利用する

個人で専門知識のない方が不動産投資をする場合には、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
不動産会社に相談するのも、不動産会社で提携している信頼できる専門家を紹介してくれますのでおすすめです。

不動産投資は、魅力的な投資方法ですが、不動産、税金、資金管理方法などの専門知識も必要となります。専門知識のない方が行う場合には、専門家を利用したほうが安心で確実といえるでしょう。