マスターリースとは何か

「マスターリース」という言葉について聞いたことがありますか。

資産の売買を検討した方でなければ聞いたことはないかもしれません。

「マスターリース」には似た言葉に「サブリース」や「リースバック」というものもあります。
「マスターリース契約」というよりも「サブリース契約」という言葉の方がよく使われてしまうため、「マスターリース」という言葉はあまり馴染みのあるものではないでしょう。

これらはとてもよく似ているけれど、同一の意味ではありません。
今回は、「マスターリース」について理解していきましょう。

目次

  1. マスターリースとは何か

  2.  マスターリースの仕組み
  3.  マスターリースによって賃貸にかかる手間を省く
  4. マスターリースを契約するまで

  5. サブリースを契約するまで

  6. マスターリースの契約方法「賃貸保証型とパス・スルー型」

  7. 賃貸保証型とは
  8.  パス・スルー型とは

  9. マスターリースのメリット
  10.  空室リスクがなくなる
  11.  不動産経営に関する管理が楽になる

  12. マスターリースのデメリット
  13.  1解約が難しい
  14.  2収益は最大ではない

  15. リースバックとマスターリースの違いとは
  16.  リースバックの特徴
  17.  マスターリース/サブリースの特徴

  18. 【まとめ】〜マスターリースとは〜

マスターリースとは何か

マスターリースとは、賃貸借契約の一つです。
「一括借り上げ」と呼ばれることもあります。

マスターリースとは、不動産のオーナーが不動産業者を通して第三者に資産を賃貸する仕組みの一部のことを指します。

それでは、マスターリースの仕組みについて説明していきます。

まず不動産のオーナーは、不動産屋に自分の不動産を貸し付けます。
不動産業者はオーナーから資産を一括で借り上げ、代わりに毎月リース料を支払います。

次に、不動産業者は借り手を集めてきて、賃貸契約を結びます。
不動産業者は借り手から毎月家賃をもらいます。

このうちの、オーナーと不動産業者の契約を「マスターリース」、
不動産業者と借り手の契約を「サブリース」といいます。
「マスターリース」は「サブリース」を前提に行われます。

これらの一連の流れをまとめて「サブリース形式」や「サブリース方式」ということが多いので、「マスターリース」については知らない人が多いかもしれません。
しかし、「マスターリース」と「サブリース」は異なるものなので混同しないように注意しましょう。

マスターリースの概要はおわかりいただけましたか。

「サブリース」についての詳細はこちらも参考にしてみてください。
⇒ 【リースバックとサブリースの違い】〜リースバックとサブリースは何が違うのか〜

マスターリースの仕組み

マスターリースをすることで、賃貸にかかる手間を省くことができるのです。
よりわかりやすくするために、ビルのオーナーがテナントを入れる際のことを考えてみましょう。

【例】ビルのオーナーがテナントを入れる場合

ビルのオーナーがテナントを入れるとします。 この場合、登場人物はビルのオーナー、マスターリース業者、テナントの三者となります。

まず、ビルのオーナーがテナントを入れることを検討します。
ビルは所有しているだけでは収益にはなりません。これが「空室リスク」です。
テナントを入れることで収益につなげるとしましょう。

しかし、オーナーが直接テナントを探そうとすると手間がかかります。
さらに、契約に関する業務、ビルの管理、各テナントとの交渉、緊急時の対応、賃貸費の回収などの業務が発生します。

これらを全てこなすのは面倒です。
そこで、マスターリースをすれば、オーナーにかかる負担が軽減されます。

マスターリースを契約するまで

個人でテナントに貸し出すには手間が膨大なので、オーナーはマスターリースを選択しました。マスターリースをすれば、上述した業務は全てマスターリース業者が引き受けてくれます。

まず、ビルのオーナーはマスターリース業者にビルの査定を依頼します。業者からの提案に納得すれば、オーナーは不動産業者とマスターリース契約を交わします。契約は、10~20年の定期借家契約であることが比較的多いです。

それによってマスターリース業者はオーナーからビルを一括で借り上げます。

サブリースを契約するまで

次にマスターリース業者はオーナーから借り上げたビルに入れるテナントを探します。
テナントとの交渉は全てマスターリース業者が行います。
テナントの募集に関しては、オーナーも関与できる場合とできない場合があります。それは業者によって異なります。

その後は実際にテナントが入り、マスターリース業者によってビルの運営が行われていきます。

このように、マスターリース契約では、不動産業者はオーナーと借り手を仲介する役割を果たします。
一方、普通の不動産業者では、仲介役となるものは存在せず、借り手と不動産屋が契約を交わすことになります。
そのため、不動産業者、オーナー、借り手という三者による取引であるという点が、マスターリース契約の特徴であるといえます。

マスターリースの契約方法「賃貸保証型とパス・スルー型」

マスターリースには、賃貸保証型とパス・スルー型という2つの契約方法があります。
それぞれについて説明しいていきます。

賃貸保証型とは

契約方法の1つ目は、賃貸保証型というものです。
この契約を結んだ場合、不動産業者はオーナーに毎月固定のリース料を支払っていきます。

この場合、貸した不動産にいくつ空室ができてしまっても固定のリース料をもらえるため、オーナーは安定した収入を得ることができます。
つまり、「空室リスク」をなくすことができるのです。

しかし、たとえ地価が上昇しても、収入を増やすことができないなどのデメリットもあります。
また、不動産業者との契約は数年ごとに見直されることが多く、その際にリース料が減額されてしまう可能性もあります。

パス・スルー型とは

2つ目は、パス・スルー型という契約です。これは、貸した不動産が利用されればされる分だけオーナーにも多くの収入が入ってくるという契約です。
また、地価が上がればその分もオーナーの収入増加に反映されます。

しかし、こちらには空室リスクが残ってしまいます。
さらに、地価が上がれば得をしますが、地価は下がることもあり得ます。
その場合はオーナーの収入も減少することになってしまいます。

ここからは、マスターリースのメリットとデメリットをまとめていきます。
まず4つのメリットをご紹介します。

空室リスクがなくなる

先ほども何度か述べたように、マスターリースには、空室リスクがありません。

所有している不動産に空室があるとその分損をしてしまいます。 マスターリースによって家賃保証をつけておけば、空室があっても安定した収入を得ることができるようになります。

不動産経営に関する管理が楽になる

マスターリースをすれば、不動産経営にかかる契約や管理の手間は全て業者に任せることができます。不動産を経営するためには時間も知識も必要です。また、クレーム対応もしなければならず、精神的にも大変になるでしょう。それらを全て業者がやってくれるというのはとても助かります。

また、管理を全て任せることができるということは、不動産のオーナーには経営のノウハウがなくても不動産から収入を得ることができるようになるということです。

さらに、マスターリース業者によっては、不動産経営に関するアドバイスをくれたり、不動産投資に関する講習会を開催してくれたりするところもあります。
このようなものに参加をすることができれば、より不動産から収益を上げることができるようになるかもしれません。

マスターリースのデメリット

1解約が難しい

一度マスターリースを契約すると解約をするのは簡単ではありません。
そのため、マスターリース業者は慎重に選ばなくてはなりません。

2収益は最大ではない

マスターリースをした場合に手に入る収益は最大ではありません。
しかしこれは、管理を他者に依頼しているので仕方のないことです。

もし最大化された収益が欲しいのであれば、マスターリースをするのではなく自分で不動産を経営するしかありません。
自身で不動産経営を学び、常に空室ができないように工夫し、契約から管理までの全ての業務をこなす必要があります。

リースバックとマスターリースの違いとは

リースバックとマスターリースの違いにはどのようなものがあるのでしょうか。 それぞれの特徴を見ていきましょう。

リースバックの特徴

マスターリース/サブリースの特徴

リースバックとマスターリースにはこのような違いがあります。

【まとめ】〜マスターリースとは〜

マスターリースとは、オーナーがマスターリース業者に対して不動産を貸し、毎月リース料を受け取るという仕組みでした。

マスターリースはサブリースとセットで行われる賃貸借契約です。

「マスターリース」、「サブリース」、「リースバック」の仕組みを正しく理解し、間違えないようにしましょう。


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