リースバックとは、資産を売却して現金化するための制度の一つです。
現在ではリースバックを利用する人は次第に増加してきています。
つまり、さまざまな人がさまざまな理由でリースバックを利用しているのです。
それでは、具体的にはどのような場合にリースバックが選ばれているのでしょうか。
今回は、実際にリースバックを利用した人の体験談をご紹介していきます。
リースバックの利用を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
目次
Aさんは千葉県で一人暮らしをしている80代の男性の方です。定年後は仕事をしておらず、年金生活を送っています。収入があるわけではないため、毎日節約した生活を送っていました。
しかし、年金だけに頼った生活をしているので、急に入院することになったり、老人ホームに入ることになったりすれば、その費用を工面することはかなり困難です。
Aさんはご結婚されていますが、奥様には先立たれてしまい、子供もいません。
そのため、もしもの時は誰かに頼ることもできません。
このように、Aさんは今のところ莫大なお金が必要というわけではないけれど、老後の資金には常に不安を抱いていました。
しかし今の家を売却することには抵抗がありました。Aさんは現在の家には50年間も住み続けていて、愛着のある家であるからです。
Aさんはそのようなことを考えていた時期にたまたまリースバックの広告を見つけました。それをきっかけに、Aさんはリースバックをすることを決意しました。
Aさんがリースバックを選んだ理由の1つ目は、老後の資金不足に不安を感じていたからです。リースバックをすれば、所有している不動産に合わせて現金を受け取ることができます。
しかも、リースバックであれば、家を引っ越す必要はありません。住み慣れた家で暮らし続けることができます。これは高齢者にとってはかなり大きいメリットとなり得ます。
Aさんがリースバックを選んだ理由の2つ目は、遺産相続で親族同士が揉めないようにするためです。
遺産があると、相続の際に問題が発生してしまうことがあります。
Aさんには現在妻子はおらず、遠い親戚とはあまり交流がないのが現状です。そのため遺産を残す相手がいません。
それなのに不動産を遺してしまえば、遠い親戚が揉めることになるでしょう。
資産を現金化し、自分がその資産を使わなくなった際には手放してしまう。そうすることで遺産による揉め事を防ぐことができます。
このように、Aさんは長年不安に思っていた老後の資金調達と遺産相続問題をリースバックによって解決することができました。
Aさんはリースバックをすることで、以下のようなメリットを得ることができました。
いつも不安に思っていた問題から解放されることで気持ちを軽くすることができるというのが、リースバック最大のメリットかもしれません。
Bさんは愛知県にご家族4人で暮らしています。Bさんは会社員、奥様も正社員として働かれています。
生活は安定しており、Bさんは今後のことを考えてマンションを購入しました。
しかし、しばらくしてBさんは転職することになりました。それに伴って収入は以前よりも減ってしまいました。
奥様も子供ができてからはパートで働くようになりました。それによってご夫婦二人ともの収入が減ってしまいました。
それに加え、子供が成長するにつれて学費などの出費が増えていきました。
つつましい生活を心がけ、生活費を切り詰めて毎月生活していましたが、それでも住宅ローンの返済が厳しくなってしまったのです。
Bさんがリースバックを選んだ1番の理由は、子供のためでした。
住み慣れた家を離れることにはそれだけでも抵抗感があることでしょう。
しかしそれだけではなく、家を離れるとはつまり子供を転校させなくてはならなくなってしまう可能性があります。
Bさんは、子供の転校を防ぎたかったといいます。少なくとも子供が卒業するまではこの家に住み続けたいと思っていました。
その点、リースバックでは、引っ越しをせずに資金を調達することができます。
それがメリットとなり、Bさんはリースバックを選びました。
Bさんはリースバックをすることによって、次のようなメリットを得ることができました。
Bさんは家を売却することで住宅ローンを完済することができました。さらに、出費は毎月の家賃だけとなり、一月あたりの出費が7万円ほども減少したので、余裕のある生活を送ることができるようになりました。
一度は家を売却してしまおうかと思っていたそうですが、リースバックにすることで、一番の希望であった子供を転校させないということを守り抜くことができ、さらに借金の負担からも解放されることとなりました。
何より、Bさんは精神的な面で楽になったといいます。
Cさんはある会社に勤める40代の男性の方です。
Cさんは離婚をすることになりました。離婚のためには財産を分け、どちらかが家を出なくてはなりません。
しかし、住宅ローンも残っている中で、自分の家賃と相手の家賃を払って行くことは困難でした。とはいえ、自分一人が今のマンションに残るには少し広すぎます。
さらに、子供たちの生活を変えることには抵抗がありました。
そのため、家を売却するという選択肢はためらわれました。
Cさんがリースバックを選んだ理由は、リースバックであれば家族を引っ越しさせず、子供たちの生活環境への変化を最小限に抑えることができると考えたからです。
Cさんはリースバックによって次のようなことを叶えることができました。
Cさんたちが住んでいたマンションには1,500万円の残債がありましたが、リースバックによって得た資金でそれらを完済することができました。
さらに、家を売却することで1,500万円以上を受け取ることができたので、残りを子供の教育費や生活費にすることができたのです。
また、リースバックでは、賃貸契約によってこれまで通りに住み続けることができます。
これによって子供たちの生活に変化をもたらさずに済みました。
Dさんはある会社に勤務する50代の男性です。
あるときギャンブルに夢中になり、貯金を全て使い果たしてしまいました。
そして気づけば1,000万円以上の借金を作ってしまいました。
その頃には仕事にも行かなくなり、収入もありません。借金は増えていく一方です。
もちろん金融機関の融資は受けられませんでした。
しかしDさんは心を入れ替え、借金の完済を決意しました。
そこで出会ったのがリースバックでした。
Dさんがリースバックを選んだのは、リースバックであれば自分が借金をしているということを周囲に知られずに済むと考えたためです。
家を売却したり引っ越したりすると、その際の騒動から、近所の人に借金をしていることが知られてしまう危険性が高いです。
しかしリースバックであれば引っ越しをする必要はなく、これまで通りの場所に住むことができます。裁判所の人が現地調査をしに来るようなこともないので、周囲に知られずに資金を調達することができます。
Dさんがリースバックで得たメリットは以下の通りです。
Dさんはリースバックのおかげで借金を返済することができました。
心を入れ替えてギャンブルからは身をひき、仕事も再開しました。そして生活は元通りになっていきました。
さらに、Dさんが一番懸念していた、借金をしていることが周囲の人に知られることも防ぐことができました。
Dさんのように、借金を返済してこれまでの生活を取り戻したいという目的でリースバックをすることもとても有効です。
Eさんはとある建設業の会社で働いていました。しかしある時独立を決意しました。
開業しようとしたけれど、それには資金が足りません。
金融機関から融資を受けようにも、審査に通ることができませんでした。
Eさんは他の融資方法を利用できなかったため、リースバックにたどり着きました。
不動産屋で家の売却を相談していた時にリースバックを紹介されたのです。
リースバックには審査がありません。そのため、他の金融機関では融資を断られてしまった場合にも、リースバックでは融資を諦めずに済む可能性があります。
Eさんもその一例です。
リースバックのおかげでEさんは事業資金を得ることができ、無事に開業を叶えることができました。
家を引っ越す必要はなかったので、家族への影響も最小限に抑えることができたというのは大きなメリットだといえます。
さらに、Eさんは開業が軌道に乗った後、家を買い戻すことに成功しました。これで生活は完全に元通りになり、起業に成功したことで生活状況はむしろ好転していきました。
Eさんのように、一度まとまった資金を手に入れたいという場合にもリースバックは有効だということがわかります。
このように、リースバックは老後や離婚時、借金を作ってしまったときなど、さまざまな場面で利用されているということがわかりました。
リースバックは事業投資など、前向きな目的でしか使えないようなイメージがあるかもしれません。しかし実際には、ギャンブルで作ってしまった借金の返済などにも利用することができるのです。
このように、受け取った資金の利用目的が制限されていないことが、リースバックの良いところの一つでもあります。
また、リースバックを行う理由には、これまで通りの生活を崩せないという理由が多いということがわかりました。つまり、売却後に同じ家を賃貸できるというのがリースバックを行う大きなメリットだといえるでしょう。
リースバック後は精神的に楽になったという人が多いようです。
みなさんも、金銭的な問題から精神的に負担を感じたときには、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。